発声練習といえば、
以前にもお伝えしたように、
まずは正しい姿勢をとることから始めます。
そして、腹式呼吸。
声を遠くへ飛ばすように、
お腹から体全体を使って五十音を発声して練習します。
以上は基礎練習ですが、
では実際に明るい声や落ち着いた声など、
声に表情をつけて伝えるためには、どう発声したらよいでしょうか?
1.発声のポイント
私はスポーツキャスターとしてスポーツコーナーを持っていましたので、
スポーツの話題といえば、基本的に明るい話題です。
勝敗があるような内容でも、基本的には明るいニュースです。
まだ局アナになりたての頃、
スポーツニュースの原稿を必死に読む練習をしているところに、
先輩アナウンサーがやってきました。
そして、今でも忘れることのない、
発声の極意を一言くれたんです。
「いけまり、表情。口角上げて、笑顔で読んでみな。声に張りが出て通るから。」と。
ん?表情次第で声が変わるのか!?
言われた通り、リラックスして笑顔で読んでみたら、
自分の感覚としても全然違うわけです。
おお、衝撃・・・!!
で、先輩にも
「そうそう。常にそうしなね。」と言われました。
驚きました。
こんなにも変わるものかと。。。
もちろん、暗いニュースを笑顔で読んではなりませんが、
通る声を出すためには、
顔の表情が声に影響することを学びました。
表情筋をうまく使うことが大事なポイントです。
しっかり意識してください。
明るい話題なら、楽しい気持ちや嬉しい気持ちになると、
笑顔になりやすいですよ♪
2.声に表情をつける
声にも表情があります。
前述で顔の表情が声にも影響すると述べましたが、その通りで、
声の表情で相手への伝わり方も大きく変わります。
よく、声が暗いとか明るいとか耳にしませんか?
暗い声だと、あれ?元気ないな?と思ったりしますよね。
逆に明るい声だと、いいことあったのかな?いつも元気だな♪
なんて思いませんか?
声の表情で、受け取る印象というのはかなり決まってきます。
例えば、
「実家からお米が100キロ届いたの!!♪」と笑顔で言うのと、
「実家からお米が100キロ届いたの・・・」と悲しい顔をして言うのでは、
同じセリフを言っているにもかかわらず、
声のトーンやスピードも変わりますし、
受け取る印象が全く変わってきますよね。
これが声の表情です。
前者は、お米がたくさん届いて嬉しいんだな、と受け取れますし、
後者は、あれ?100キロも届いてしまって困ってるのかな?などと、
ネガティブなイメージで受け取れますよね。
相手に正しい発声で伝えたいことを届けるためには、
この表情がとても大事です。
では、声に表情をつけるために必要な、
表情のトレーニングに次の項目で触れていきましょう。
3.表情のトレーニング
声に張りを持たせ、通るようにするためには、
顔の表情の変化に伴う声の表情への影響が鍵になってくると述べてきました。
日本人は、笑顔が苦手だというデータもあることですし
(過去記事参照 https://hanashikata-marikoikeda.com/tobefun/ )、
特に男性は表情を読まれにくいように本能的にできていますので、
喜怒哀楽の表情の変化をつけるのが特に苦手な方が多いようです。
そこで、私のLalavoiceのレッスンでも、
喜怒哀楽の表情を豊かにするためのトレーニングを取り入れています。
「アイスクリームが足りない」
という一言を、喜怒哀楽で表現していきます。
この一言に意味はあまりないので、
単に「アイウエオ」を喜怒哀楽で表現するのでもいいでしょう。
少しの時間練習をして、それぞれ発表してもらい、
ちゃんと喜怒哀楽が伝わっているか、
どこをどうすれば改善されるか、
お互いにフィードバックします。
とにかく、最初は舞台俳優になったつもりで、大げさなくらいでいいから、
全身のジェスチャーも使って喜怒哀楽を表現するよう、指導しています。
そこで、取り組んでみて面白いのが、
「喜と楽の差がどうしたらいいかよくわからない」という意見が多く出てきます。
実際発表を聞いてみると、
確かに「喜」と「楽」で大差がない方が確かに多いのですが、
意外にも「喜」と「怒」に変化があまり感じられなかったり、
「怒」と「哀」に変化が感じられなかったり、という方もいらっしゃいます。
喜びを大きな声で表現し、
怒りも大きな声で表現し・・・、
あれ?どちらもなんか声が大きいだけで変化があまりない・・・、という方。
怒りと哀しみの変化があまり見られない方は、
悔しくて悲しくて怒っているのか、悔しくて怒っていて哀しいのか?
あれ?よく分からない・・・という具合ですね。
色々な表情があるもので、4種類の喜怒哀楽だけではなく、
人間はもっともっとたくさん複雑な表情を本来持ち併せています。
しかし、一つ一つの表情にそもそもメリハリが持てないと、
結局全てごっちゃで、表情の変化が非常に乏しいものになりがちです。
ということは、伝えたい想いをうまく発声して相手に届けるのが難しいということになります。
もっとはっきり言えば、伝えたい想いが伝わらない、ということです。
話していて誤解を受けやすい方は、特に表情の変化に乏しいように感じます。
では、どのように表情にメリハリをつけていけばよいのでしょうか?
実はとても単純なことなのですが、
喜怒哀楽の練習の際に、それぞれの気持ちになりきってから発声すると、
顔の表情もジェスチャーも声も、結果的にそれらしく表現できやすくなります。
「喜」の時は、過去のとびきり嬉しい瞬間を思い出して。
「怒」の時は、はらわたが煮えくりかえるような出来事を思い出して。
「哀」の時は、大事な何かを失った時のことを思い出してみたり。
「楽」の時は、気分がルンルンすることを考えてみたり。
あとは、よくあるのが、特に「喜」を表現する際に、
出だしは「アイスクリームが⤴」と喜びが伝わっているのに
語尾が「足りない⤵」と、トーンダウンしてしまい、
最後の締めができていないが故に、
結局なんだか残念そうに聞こえてしまったりします。
最後まで、語尾を意識して練習に取り組んでみてください。
4.まとめ
顔の表情をコントロールすることで、声にも影響が出るわけですが、
表情というのは、見られていないときでも大事です。
例えば、電話口で、相手の顔の表情が見えないときこそ、
しっかり顔の表情を整えてください。
内容よりも、その表情に乗った声が相手に届きます。
良い発声は表情に起因します。
表情筋を鍛えて柔軟にしておくためにも、
喜怒哀楽の表情のトレーニングは非常にオススメです。
表情に合わせていい発声ができるようになりますよ。
今日も豊かな心と表情で、
いい発声を通じてより良い円滑なコミュニケーションを♪
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